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装飾音について

装飾音がうまく決まらない?

装飾音がうまく決まらない(整調・アクションの状態は良いのに)。という演奏家の声を耳にすることがたまにある。今回は整調についてはメーカー推奨値であることを前提に、その他どういったことが原因になるのか、再考してみた。装飾音の多くは「ハーフタッチ」と「連打」の組み合わせと言ってよい。そう仮定すると、装飾音が弾きにくいのは、整調だけに原因があるのでは?と単純に考えてしまいがちである。

楽譜例

原因は整音?

上の図の譜面の場合、水色の音でハーフタッチを使用することになる(多くの場合はそうだと思う)。そして、赤色の音は連打になるので、連打がしやすい状態でなければならない。 整調では当然、どちらも(ハーフタッチも連打も)しやすい最適なポイントを見つけて調整することが重要になってくる。 ここまでは大前提である。

では、他に原因はどこにあるか? それは「整音」である。意外と感じる方も多いと思う。 「装飾音が決まらない」と感じる場合に使用するタッチは、「早いパッセージをピアニシモで弾く」時のタッチと似た感覚になると思う。(繰り返しになるが、装飾音はハーフタッチ&ピアニシモ&連打の組み合わせであろう。)ゆっくり鍵盤の抵抗を感じながら…というような余裕はない。 鍵盤の動きは速く、それでいてピアニシモを出さなければならない。 確認してみて欲しい。

・早いパッセージ&ハーフタッチでピアニシモが出しにくいと感じたことはないか?(ソフトペダルは使用しないこと)

・がやがやと賑やかな場所など、周囲にピアノ以外の音がある時なら装飾音が決まりやすいと感じたことはないか?

・音量の小さなピアノで弾いたとき(例えばアップライトの大変に小型のものなど)に装飾音が決まりやすいと感じたことはないか?

・高音部の装飾音は弾きやすいのに、中低音部の装飾音は弾きにくいと感じたことはないか?

・ソフトペダルを踏んだ状態で弾いたときに装飾音が決まりやすいと感じたことはないか?

・装飾音の箇所のそれぞれの音量にバラツキはないか?(ピアニシモ、メゾフォルテ、フォルテ、それぞれの条件で音量にばらつきがないかチェックしてみる。)

これらについて思い当たることがあれば、「装飾音が決まらない(早いパッセージでピアニシモが上手く弾けない)」この原因は間違いなくハンマーの状態、すなわち「整音」にあると思う。

余談になるが、早いパッセージやトリルをピアニシモで弾きにくいピアノ、低中音域のピアニシモが弾きにくいピアノ、これらに遭遇したときはどうしてもソフトペダルに頼ってしまうピアニストを多く見かけるが、もし時間やコストが許すのであれば、その辺りの調整に重点を置くとソフトペダルはもっと別なところを表現するために利用できるので(例えば幻想的な部分)、演奏するに当たって今以上に表現力が広がると思う。そして、「整音」と「タッチ」の関係はまだまだ奥が深い。細かな調整により表現力は一気に広がってくる。

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